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「宮園様……」
部屋の中が静かになると、再び睡魔が襲ってきた。
「ん?」
「あの、今日はもう出掛けたり……」
今にも瞼がくっついてしまいそうなのを必死に堪え、縋るように宮園様を見つめる。
「何だよ、寂しいとか言い出すんじゃねぇだろうな?」
「う……」
図星を突かれて、気まずさから隠れるように布団を頭まで被った。
「どこにも行かねぇから。さっさと寝ろ」
「は~い……」
やっぱり、今日の宮園様は優しいな。
何だか擽ったい。
熱があると奇妙な夢を見てしまうもので。
夢の中で何故か俺は大量のジャガイモの皮を剥いて山盛りのコロッケを作っていた。
目の前には宮園様が居て、「コロッケは牛肉コロッケしか食わねぇ」なんて我が儘を言っている。
何でコロッケなんだよ。
変な夢。
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