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寝苦しさから徐々に夢から覚めていくと、口唇に何か柔らかい感触が触れていた。
「っ……」
うっすらと瞼を開くが、ぼやけた視界には少し傷んだ赤い髪。
俺、宮園様にキスされてる?
そっか、これも夢か。
どうせキスされる夢見るなら、相手は宮園様じゃなくてグラビアアイドルのマリナちゃんが良かったな。
「んっ……」
吐息を漏らすと、口唇の感触がスッと離れる。
こんな夢見るなんて、俺って欲求不満なのかも。
そんな事をぼんやり考えていたら、またすぐに意識が落ちていった。
眩しさに僅かに目を開けると、部屋の照明がついている。
日が短くなったとはいえ、部屋の灯りをつける時間って事か。
「起きたのか?」
床に座り俺のベッドにもたれてケータイを弄っていた宮園様が、俺が起きたのに気付いて声を掛けてきた。
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