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次の日は平日で学校があったけど、大事をとって休む事にした。
ホントは身体も大分楽になったしテストも近いから休みたくなかったのだけど、宮園様に『学校に来てるの見つけたら潰すからな』と脅されて仕方なく。
何をどう潰されるのかは解らないけど、潰されたら困るから休むしかない。
「暇だ……」
昨日一日中寝ていたからか眠れないし、下手に家事をして宮園様にバレたら叱られそうだ。
昼ご飯くらいは自分で作ろうとキッチンで冷蔵庫を開けて中を漁っていると、部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「誰?」
時間的には昼休みくらいだけど、みんな学校に行っているからこんな時間に訪問する人物が思い当たらない。
宮園様が戻って来たんだとしても、ノックなんてしないし。
「どちら様ですか~?」
恐る恐るドアを開いて外の様子を窺うと、部屋の前に立っていたのは薬師堂先輩。
銀縁メガネを指で押し上げながら「休んでいる時にすまない」といきなり謝ってきた。
「薬師堂先輩、どうしたんですか?」
「昼休みしか時間がとれそうになくてな」
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