12451人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい、コウ」
「え!? はい、何ですか?」
「聞いてなかっただろ」
「聞いてました!」
ホントは全然聞いてなかったのがあっさりバレてしまって、宮園様が呆れたような視線を俺に向けている。
ヤバイヤバイ、考え事してて勉強に集中出来てなかったよ。
明日はテストなんだぞ、気合い入れろ、俺!
ふと、宮園様がシャーペンを机に置き、俺の頭を撫でる。
そしてその手が俺の頬に降りてきて、擽ったさから思わず首を竦めた。
「み、宮園様……?」
宮園様の目が真っ直ぐに俺を見つめていて、ドキッと心臓が高鳴る。
え、何? 何なの?
「何で俺、こんなのがいいんだろうな」
「こんなのって? え、どういう意味?」
「俺だって解んねぇよ」
ムニッと俺の頬を摘まんでから、宮園様が「ほら、勉強しろ」とさっき俺が言った台詞をそのまま返してきた。
で、どういう意味?
.
最初のコメントを投稿しよう!