嫉妬

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「おい、コウ」 「え!? はい、何ですか?」 「聞いてなかっただろ」 「聞いてました!」 ホントは全然聞いてなかったのがあっさりバレてしまって、宮園様が呆れたような視線を俺に向けている。 ヤバイヤバイ、考え事してて勉強に集中出来てなかったよ。 明日はテストなんだぞ、気合い入れろ、俺! ふと、宮園様がシャーペンを机に置き、俺の頭を撫でる。 そしてその手が俺の頬に降りてきて、擽ったさから思わず首を竦めた。 「み、宮園様……?」 宮園様の目が真っ直ぐに俺を見つめていて、ドキッと心臓が高鳴る。 え、何? 何なの? 「何で俺、こんなのがいいんだろうな」 「こんなのって? え、どういう意味?」 「俺だって解んねぇよ」 ムニッと俺の頬を摘まんでから、宮園様が「ほら、勉強しろ」とさっき俺が言った台詞をそのまま返してきた。 で、どういう意味? .
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