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それから始まった期末テストでは気がかりだった初日の苦手な数学も、宮園様に教えてもらったお陰かいつもより解答欄を埋める事が出来た。
これは是非とも宮園様にお礼の肉料理を進呈しなくては。
そしてテスト最終日。
全てのテストが終わって、脱力しながら自分の席で机に突っ伏していると、翼が「お疲れ様」と疲れなんか吹っ飛ぶくらいの眩しい笑顔で話し掛けて来た。
「光太、これから食堂行くの?」
テスト期間中は午前で学校が終わる。
午後は自主的なテスト勉強の為らしいが、最終日には関係無い。
他のクラスメイトも既に遊びに行く相談をしてるくらいだ。
「学校終わりだし、部屋帰ってお昼食べるよ。翼は松森隼人と?」
「うん……。あの、最近光太と遊べなくてごめんね?」
申し訳なさそうに翼が悲しげな表情で謝ってくる。
「隼人、すぐ嫉妬するから。僕が光太と遊ぶの、スゴく嫌がるの」
そういえば、前に松森隼人に『翼は渡さない』宣言された事があったっけ。
「翼も大変なんだな……」
「うん、ごめんね?」
束縛しすぎると嫌われるぞ?
まぁ、こんな可愛い翼を独り占めしたい気持ちは、解らなくもないけど。
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