嫉妬

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「ぐぁっ!」 キレイな放物線を描いて飛んで行ったバナナ豆乳は、見事に後ろから宮園様を襲おうとしていた三年生の頭にぶつかる。 俺、スゴい! コントロールバッチリじゃない? 「バナナ豆乳? 誰だ、こんなもん投げたのは!」 潰れてしまったバナナ豆乳を拾い上げ、ぶつけられた三年生がキョロキョロと周りを見回していて。 今更ながらヤバイ状況に気付き、慌てて壁の陰に隠れた。 ヤバイ、マジヤバイ。 見つかったら俺、殺されるかも。 「こっちから飛んで来たな。そこに居るのは解ってんだぞ!」 バナナ豆乳を手にしたまま、三年生がゆっくりこちらに近付いて来る。 緊張と恐怖で心臓がバクバクとうるさい。 今にも見つかってしまうんじゃないかと怯えていると。 「おい、お前の相手は俺だろうが」 宮園様の引き留める声と、何かがぶつかるような音。 「ぐっ……!」 それに呻き声と人が倒れたような音がした。 .
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