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「宮園、てめぇ!」
「ふざけんなよ!」
しばらく待っても俺が見つかる気配が無い。
その間にも殴り合うような音は続いている。
壁から少しだけ顔を出すと、何人もの三年生を相手に宮園様が機敏な動きで立ち回っているのが見えて。
「危ない、右から……あ、倒した。宮園様、スゴイ。行け、宮園様」
聞こえる筈も無いのに、つい小声で応援してしまった。
あれだけの人数なのに、宮園様は全然負けてない。
それどころか既に三人くらいが床に倒れて呻いている。
宮園様、カッコイイ!
「お前ら、何している! すぐに止めなさい!」
バタバタと駆け寄って来た数人の生徒が、ケンカを止めに割り込んできた。
あのケンカに割り込むなんて勇気があるな、なんて感心していると、止めに入った生徒の腕には風紀委員の腕章がついている。
って、風紀委員!?
ヤバイ、また宮園様が薬師堂先輩に叱られちゃうかも!
「風紀委員です。騒ぎの原因は、またあなた達ですか」
「クソッ、逃げるぞ!」
集団の中心らしき三年生が舌打ちしながらその場から逃げ出すが、床に倒れていた三年生は逃げ切れずに風紀委員に捕まっていた。
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