嫉妬

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教室へと戻る宮園様を見送って、お昼ご飯に何を作ろうかなんてぼんやり考えていると。 「……っ!」 いきなり頬に衝撃。 そして床に転がった紙パックのバナナ豆乳。 アレ、これ俺のバナナ豆乳? 何で飛んで来たの? ってか、中身入った状態でぶつかるとこんなに痛いんだな。 俺がぶつけた三年生の人、今更ながらすいません。 バナナ豆乳が飛んで来た方向に目を向ける。 そこには投げつけた後の体勢のまま固まっている藤代君が居た。 そういえば、藤代君が視界の端に居たり壁の陰に居るのが当たり前になってて、存在を忘れかけてたわ。 「石渡……光太郎……」 「これ投げたの、藤代君? 痛かったんだけど」 これ、と床に落ちたバナナ豆乳を指差すと、藤代君が自分の胸を押さえつける。 「ボクの方が……痛い……」 「藤代君?」 「何でアンタが……アンタなんか……キライだ」 藤代君はいつも俺のストーキングをしていた。 だから、さっきのも見られちゃったんだろうな。 .
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