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ぼんやりと考え事をしながら歩いていたからか、ついふらついて壁に寄り掛かる。
何か俺、最近調子悪いのかも。
今朝も味噌汁のネギが切れてなくて繋がってたって、宮園様に呆れられてたっけ。
そ、その原因は宮園様にもあると思うんだよ!
ほっぺにチューしといて、何であんな平然としてんの?
動揺してる俺が意識しすぎの童貞みたいじゃん。
否定はしないけど!
「はぁ~…」と長い溜め息を吐いていると、背後から「……大丈夫か」と落ち着いた声で話し掛けられた。
「あ、大丈夫。ちょっとふらついただけ……」
顔を上げると真顔の三世寺先輩が俺の顔を覗き込んでいる。
「アレ、三世寺先輩?」
「……具合でも悪いのか」
「いえ、体育の授業で転んじゃって、今から保健室行く所なんです」
三世寺先輩と会うの、スゴく久しぶりな感じがするな。
学年も違うし風紀委員の仕事で忙しいんだろうから、仕方ないんだろうけど。
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