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溜め息を吐いていたの、見られてたんだっけ。
「いえ、何でもないですよ。気にしないでください」
何でこんなにモヤモヤしてるのか自分でも解らないのに、他人に説明なんて出来ない。
藤代君に大キライって言われたのがショックだったってのもあるんだけど、それだけじゃない気もするし。
「……気にするなと言われても無理だ」
「三世寺先輩?」
スッと俺から目を逸らして立ち上がり、三世寺先輩が消毒液や使ってないガーゼを薬品棚に片付ける。
「……憂い事は他人に話す事で軽くなる。話してみないか」
「でも、自分でも解らないんです」
「……だからこそ、他人に意見を求めるのも一つの手だ」
三世寺先輩、相談に乗ってくれるつもりなのかな?
まぁ、一人で考えてても解んない物は解んないからね。
「えっと……とある人、仮にピーマン君としますね。ピーマン君と仲良くしている所を、ピーマン君の事を好きな忍者君に見られてしまって」
「……ピーマン?」
「仮名です」
宮園様や藤代君の名前を出したくないので仮名にしたのだが、俺のネーミングセンスに三世寺先輩が無表情で首を傾げた。
いや、名前はどうでもいいんですよ。
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