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「藤代君!?」
思わず声を出してしまって、慌てて口元を手で押さえた。
え、何で藤代君が宮園様と話してるの?
『助けてもらったお礼も言えない』なんて言ってたのに。
しかも今日は分厚いレンズのメガネをしてない美少年モードだ。
何の話をしているのかは聞こえない。
それでも頬を赤く染めながら宮園様と話す藤代君を見ていたら、また胸がモヤモヤしてしまう。
やっぱり藤代君、可愛いな~。
宮園様だってあんなに可愛い美少年に話し掛けられたら満更でもないよね。
「……」
翼を松森隼人に取られた時は少し寂しいとは思ったけど、こんなにモヤモヤはしなかった。
まぁ、ラブラブだから仕方ないし。
このモヤモヤは宮園様を大事な友達だと思ってるからだって、三世寺先輩が言ってた。
という事は、大事な友達を取られちゃうとでも思って妬いてたのかな?
俺ってそんなに心が狭い人間だったっけ。
「お昼……行こう」
今日は一人で食堂に行こうかな。
話をしている二人の邪魔になりたくないし。
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