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「何か、いきなり話し掛けられて昼飯誘われた」
「え……」
宮園様に話し掛けられないくらい照れ屋さんだった藤代君が、お昼に誘ってきたの?
それって相当勇気を出したんじゃないのかな。
「行かないんですか? 藤代君とお昼ご飯」
「知らねぇヤツに誘われてもな。それにお前が居るのに行かねぇだろ」
もしかして宮園様、藤代君みたいな美少年より俺を優先してくれたって事?
何だ、コレは。
ちょっと嬉しいとか思ってる自分が居るぞ。
「ほら、売店行くんだろ? 休み時間無くなる」
促すように俺の背中をポンッと軽く叩いて、宮園様が売店のある方向に歩き出す。
さっきまでのモヤモヤが一瞬で消えちゃったな。
その代わりにちょっとドキドキしてる。
「コウ、早く来い」
「は、はい!」
胸がじんわりと温かくなるのを感じながら、置いて行かれないように慌てて宮園様の後を追った。
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