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「光太、お願いがあるんだけど……」
放課後、教室で帰り支度をしている俺に翼が申し訳なさそうに話し掛けてきた。
「何?」
「あの、買い物に付き合ってほしいんだ」
「買い物? 何買うの?」
「それは……まだ決めてないんだけど」
買う物を決めてないって、どういう事?
訳が解らずキョトンとしている俺の前で、翼が顔を赤らめながらモジモジしている。
「その、もうすぐクリスマスでしょ? 隼人にプレゼント用意したいなって」
そうか、翼にとっては恋人の居るリア充なクリスマスなんだもんな。
期末テストやら何やらで時間感覚が鈍ってた。
もうそんな時期だったっけ。
「いいよ、付き合う。ただし、鯛焼き奢ってくれたらだけど」
「奢る! 何個でも奢るから! 光太、ありがとう」
余程嬉しかったのか、翼が天使の微笑みを浮かべていた。
クリスマスプレゼントか。
俺はどうしよう?
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