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信じてないのか翼が疑うように俺の顔をじっと見つめる。
「光太、鯛焼き食べようか。奢るって約束したし」
「え、でもまだプレゼント決まってないじゃん」
「鯛焼き食べてからでいいよ」
「行こう」と翼に手を掴まれ、手を繋いだまま雑貨屋を出て鯛焼き屋のある方へと向かった。
「鯛焼きはカスタードが美味しいよね」
「いや、定番の粒あんだよ」
翼が自分の分にカスタード鯛焼きを一つ、俺の分にと粒あんの鯛焼きを五つ買ってくれて。
壁際に設置されたベンチに並んで腰掛け、出来立てでまだ温かい鯛焼きを二人で頬張る。
鯛焼きはやっぱり尻尾の方から食べるよね。
でも俺、五つも食べないよ。
残った分は宮園様に持って帰ろう。
「あの、いきなりこんな事を聞くのも何だけど」
「何?」
鯛焼きを口に詰め込みながら返事をする俺に、翼が食べかけの鯛焼きを手にしたまま急に真面目な顔になった。
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