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カスタードの鯛焼きをもそもそかじりながら、翼が何やら考え込んでいる。
「ちょっとした事でドキドキしたり、モヤモヤしたり。もっと一緒に居たいとか触りたいとか思ったり。そういうの、無い?」
「……あ」
翼の言葉で思い当たったのは、ここ最近の原因不明の心のモヤモヤ。
いや、でもあれは宮園様を大事な友達だと思ってるからだし。
恋とか、そんなんじゃ……。
アレ、また何かモヤモヤしてる!
モヤモヤを振り払うように頭をブンブンと振ると、翼が「え、どうかした?」とビックリしていた。
「何でもない」
「そう? でももし何かあったら僕に言ってね。光太の力になりたいし」
「うん」
頭を振った事でボサボサになった髪の毛を、翼が撫でて直してくれる。
「光太の恋なら応援したいから、ね?」
「……うん」
恋はしてないと思うけど、翼の優しさは嬉しい。
素直に頷くと、翼は何もかもを包み込む天使のように穏やかに微笑んでいた。
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