10/23
前へ
/400ページ
次へ
二十分後に来たバスに乗り込み、学校へと戻る。 もう間に合わないと解っているから焦る気持ちは無かったので、バスの車内でも翼とのんびりしていたら。 「遅ぇよ」 学校の最寄りのバス停で下車した途端、赤い髪の不良に頭を叩かれた。 「え、宮園様!? 何でここに?」 「寮の管理人にも門限に間に合わねぇ話をしといた。校門は閉まってるから裏口から入れってよ」 「あ、はい。ありがとうございます」 まさか宮園様、迎えに来てくれたとか? いや、でも……まさかね。 「コウ」 宮園様がいきなり俺の肩を引き寄せ、ギュッと抱きついてくる。 「寒い」 「俺の身体で暖をとらないでください。宮園様、身体冷えてますね」 「お前が遅ぇからだっての」 ずっと外で待ってたのかな? 風邪引いたらどうするのさ。 .
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12450人が本棚に入れています
本棚に追加