12450人が本棚に入れています
本棚に追加
外は寒いけど、こうして抱き合うと温かい。
何かずっとこうしていたいとか思っちゃってるし。
いや、そう思うのは寒いからで、別に変な意味じゃなくて!
「光太、僕、先に帰ろうか?」
翼の存在をすっかり忘れていて、慌てて宮園様の身体を押し戻した。
「ご、ごめん! もう、宮園様ってば!」
「俺が悪いのかよ」
「だ、だって!」
顔が熱い。
周りが暗くて良かったかも。
きっと俺、今変な顔してる。
「あの、お邪魔みたいだし、やっぱり僕先に帰るよ」
「ダメ! 翼みたいな可愛い子が夜道の一人歩きなんて、危ないでしょ!」
というか、今は宮園様と二人きりになるのが気まずい。
部屋に帰れば二人きりにはなるけどさ。
「ちゃんと翼を部屋まで送って行くから。宮園様もそれでいいですか?」
「そうだな」
宮園様も了承してくれたので、三人並んで歩きながら寮に戻った。
宮園様と距離をとるように、間に翼を挟んでだけど。
.
最初のコメントを投稿しよう!