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寮の管理人にお詫びをして、翼を部屋に送り届けてから自分の部屋に帰る。
「コウ」
先に部屋の中に入った俺の後ろから、宮園様が首に腕を回すように抱きついてきて。
「遅くなるんなら連絡しろって言ってたのは、誰だっけな?」
まさかのチョークスリーパー再びですよ。
これは隙を見せた俺が悪いのか!?
「す、すいませんっ……俺ですっ……!」
ギブアップの意味を籠めて宮園様の腕を叩くと、宮園様が腕の力を緩めて俺の背中にのし掛かってきた。
「あんまり心配かけんじゃねぇよ」
「う……すいません」
身体に回された腕や、背中にかかる重み。
耳元で囁かれる声にドキドキする。
違う、別に恋とかそんなんじゃないから。
これだってただの友達同士のスキンシップだし……。
友達……なんだよね?
「あの、ご飯作りますね。簡単な物でいいですか?」
「任せる」
何だかまた頬が熱くなっている気がして、宮園様から逃げるように顔を逸らしながらキッチンに隠れた。
モヤモヤとかドキドキとか、ホントに俺どうしちゃったんだろ。
訳解んなくなってきた。
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