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もしかして俺、お邪魔だった?
見つかったなら仕方ないと、隠れていた壁から出て山本先輩の元に近付く。
「邪魔してすいません」
「いや、寧ろ助かったよー」
山本先輩が制服の袖で口元をゴシゴシと拭っている。
「あの、今の人、山本先輩の恋人……とか?」
恋人ならキスをした後にこんな反応はしないと思いながらも一応尋ねてみるが、山本先輩は「違うよー」と予想通りの答えを返した。
「相談があるから二人っきりで話したいとか言われて、ついてきたら何かいきなりコクられてチューされた」
「ぇえ!?」
いきなりの告白でキスされて、何でこの人こんなに落ち着いていられるんだ!?
「大丈夫なんですか?」
「大丈夫、慣れてるし。前にもやられた事あるから」
大丈夫、という割に山本先輩は壁に片手をついてガックリと落ち込んでいる。
「やっくんにバレたらまた怒られる……」
襲われた事よりそっちが心配なんですね。
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