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「あの、俺、誰にも言いませんよ?」 「ありがとう、コウくんは優しいね。でもダメなんだ、この学校はやっくんに忠実な風紀委員が常に巡回してる。隠そうとしてもバレちゃうんだよね、コレが」 山本先輩が虚ろな目で空を見上げた。 風紀委員……というか薬師堂先輩には隠し事は出来ないんだろうな。 恐るべし、風紀委員。 「前にもやられた事あるって、その……襲われたんですか?」 「チューで止めてくれたけどね。今のは一年生だったけど、二年生や三年生も居たなー」 「ちょっとは学習しましょうよ」 呆れながらそう言うと、山本先輩は「無理」とキッパリ言い切る。 「だって、オレにしか相談出来ないとか言われたらしょうがないじゃん」 まぁ、告白ならそうだろうな。 「たまにウソだったりもするけどさ、オレは信じたいの。もしかしたらホントかもしれないし」 「でも、ちょっとは疑ったりとか」 「しないね」 だから襲われたりするんじゃないですか? .
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