12450人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの、俺、誰にも言いませんよ?」
「ありがとう、コウくんは優しいね。でもダメなんだ、この学校はやっくんに忠実な風紀委員が常に巡回してる。隠そうとしてもバレちゃうんだよね、コレが」
山本先輩が虚ろな目で空を見上げた。
風紀委員……というか薬師堂先輩には隠し事は出来ないんだろうな。
恐るべし、風紀委員。
「前にもやられた事あるって、その……襲われたんですか?」
「チューで止めてくれたけどね。今のは一年生だったけど、二年生や三年生も居たなー」
「ちょっとは学習しましょうよ」
呆れながらそう言うと、山本先輩は「無理」とキッパリ言い切る。
「だって、オレにしか相談出来ないとか言われたらしょうがないじゃん」
まぁ、告白ならそうだろうな。
「たまにウソだったりもするけどさ、オレは信じたいの。もしかしたらホントかもしれないし」
「でも、ちょっとは疑ったりとか」
「しないね」
だから襲われたりするんじゃないですか?
.
最初のコメントを投稿しよう!