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「そりゃ、好きでもない男にチューされたら気持ち悪いけどさ。それでもオレは無闇に誰かを疑いたくはないの。だからやっくんに怒られてばっかりなんだけど」
「気持ち悪い……?」
そっか、普通は男にキスされたら『気持ち悪い』って思うもんだよな。
でも俺、宮園様とキスする夢見ても気持ち悪いとか思わなかった。
あれは夢で現実じゃなかったから?
じゃ、現実だったら?
「アレ、コウくん? どうした?」
考え事に耽っていた俺の目の前で、山本先輩がヒラヒラと手を振っていた。
「いえ、何でもないです」
「顔、真っ赤だよー?」
「何でもないです!」
ヤバイ、変な妄想しちゃった。
宮園様、すいません。
「何? 宮園君の事でも考えてた?」
山本先輩に図星を突かれて、ギクッと身体が強張る。
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