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今日の晩ご飯は鶏肉と大根の煮物。
ばあちゃんに仕送りしてもらった野菜はこれで最後だな。
ばあちゃん、ありがとう。
コンロから鍋を下ろして煮物に味を染み込ませていると、丁度宮園様が部屋に帰って来た。
「宮園様、おかえりなさい」
「ただいま。コレ、土産」
『土産』と差し出されたのは小さなケーキの箱。
「ケーキ? どうしたんですか?」
「急に食いたくなったから買った。イチジクのロールケーキ」
「ぉお! ロールケーキ!」
受け取った箱を高々と持ち上げると、宮園様が満足そうに微笑んだ。
「嬉しそうだな、お前」
「ケーキにテンションが上がらない人間なんて居ませんよ! 宮園様だって甘い物好きなクセに」
「悪ぃかよ」
ケーキの箱を掲げたままの俺の額を、宮園様がペチリと叩く。
「悪くないですよ。後で一緒に食べましょうね」
ケーキにはコーヒーか紅茶だな。
インスタントしかないけど。
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