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こんな何でもない日にケーキなんて贅沢と思いつつ、嬉しさは隠せない。
「ケーキ……楽しみだ」
小さい冷蔵庫に何とかケーキの箱を詰め込み、パタンとドアを閉じた。
宮園様は俺を友達だって思ってるのかな?
だからこうして俺を喜ばせてくれるの?
ほっぺにチューも、その延長ってだけ?
解らない、解らないからモヤモヤするんだ。
男にキスしたら気持ち悪いって思う筈なんだよね。
……確かめてみるしかないか。
「宮園様、ちょっといいですか?」
「ぁあ? 何だよ」
カバンを机に置いて既に着替えを始めていた宮園様が、脱いだ制服のブレザーをハンガーに掛けたまま俺の方を向く。
「ちょっと確認したい事があるんです」
キッチンから飛び出し宮園様の元へ行き、腕を掴んで「座ってください」と宮園様のベッドへ座らせた。
俺もその隣に。
「宮園様、目を瞑ってください」
「イヤだ」
即答ですか。
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