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「大丈夫、何があっても僕は光太の味方だからね」
「翼……」
俺の手を取り、翼が包むように両手を重ねる。
「きっと上手くいくよ。光太に幸せになってもらわなきゃ、僕だって困る。今僕が幸せなのは、光太のお陰だもん」
俺が翼にしてやれた事なんて、部屋を替わっただけなのに。
それでも優しい翼は俺のお陰だって思ってくれてるんだな。
「それに光太には隠し事出来ないだろうし」
ポツリと呟いた声が聞き取れずに「何?」と聞き返すが、「何でもないよ」と眩しい笑顔で誤魔化された。
翼と共に教室に戻ると、何故か俺のクラスの前の廊下に宮園様が立っていて。
「お前は何をしてるんだ」
俺を見つけた途端に呆れたように溜め息を吐いた。
「え、宮園様? 何で?」
「何で、じゃねぇよ」
宮園様が手にしていたカバンを俺に差し出す。
アレ、俺のカバン?
何で宮園様が持ってるの?
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