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「アホだとは思ってたけど、まさかカバンも持たずに学校に行くなんてな」
「ぇえ！？」
受け取ったカバンをマジマジと見つめる。
そういえば翼に話を聞いてもらう事ばっかり考えてて、部屋を出た時にカバンを持ってたかどうか覚えてない。
いや、宮園様が俺のカバンを持ってるって事はやっぱり忘れたんだろうな。
「あ、ありがとうございます」
「別に。笑わせてもらったし」
笑ったんですか。
うぅ……何してんだ、俺。
「光太、僕先に教室入ってるね」
一緒に居た翼が俺に向けてそう言いながらも、宮園様をじっと見ている。
そして「ほら、やっぱりね」と不思議な一言を残して先に教室に戻って行った。
ん？ 何の事？
「んじゃ、俺も行くか」
「え、待って……」
自分の教室に戻ろうとしていた宮園様を、思わず制服の裾を掴んで引き留めてしまう。
な、何で俺引き留めちゃってるの！？
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