お誘い

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「あの、カバン! ありがとうございます」 「それはさっき聞いた」 「そうじゃなくて、えっと……お礼にジュース奢りますよ」 「要らねぇよ」 違う、俺が言いたいのはこんな事じゃなくて。 宮園様に優しくされて嬉しいんだって伝えたいのに。 言わないって決めた筈なのに、自覚したら気持ちが溢れてくる。 もしかして俺、自分が思ってる以上に宮園様が大好きなんじゃないか? 「コウ?」 「す、すいません」 宮園様の制服の裾を掴んでいた手を離し、気まずくて目を伏せていると、宮園様に頭をガシガシと乱暴に撫でられる。 「ここが学校じゃなけりゃな」 「え?」 「何でもねぇ。ジュースは要らねぇけどカツサンドは奢れよ」 ガシガシと撫でていた手で、誤魔化すようにペチリと軽く額を叩かれた。 うん、やっぱり俺、宮園様が好きだな。 ……すぐ叩くけど。 .
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