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「コウくーん! 居るー?」
放課後、教室の自分の席でスーパーのタイムセール情報をケータイでチェックしていると、勢い良くドアが開いて山本先輩が顔を出した。
「居ません」
「居るじゃん」
山本先輩に関わるとロクな事が無い気がする。
今日はスーパーに行きたいから、山本先輩には付き合ってられないと思っていたのに。
「この間オレを見捨てたのは誰だっけ?」
ツカツカと教室に入り込み、山本先輩が俺の背後からポンッと肩に手を乗せる。
「何の事でしょう?」
「あの後、やっくんに散々怒られたんだよねー。罰として一時間正座させられたし、『虫除けだ』って首に跡付けられたし」
「それは俺には関係無いんじゃないですか?」
俺はただ偶然その場に居合わせただけなんだから。
ってか、虫除け?
「という訳で、コウくんにも手伝ってもらおうと思いまーす」
山本先輩が楽しそうに握った拳を高々と突き上げた。
結局、逃れられない運命なんですね。
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