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「校舎内は普段から掃除してるから、校舎の周りのゴミ拾いね。校庭の端っこまでだよー」
「オレはあっちから行くから」とトングを掲げた山本先輩が元気に走り去って行く後ろ姿を見送り、「はぁ～……」と長い溜め息を吐く。
タイムセール、間に合わないな。
仕方ない、今日の晩ご飯は冷蔵庫の残り物で何とかするしか無いか。
とにかく早く終わらせようとトングで目についたゴミを拾って袋に入れようとするが、木枯らしの吹くこの時期。
一際強い風が吹いてゴミ袋があっさり飛ばされてしまった。
「ってか、寒い！」
冬物の服はあんまり寮の部屋に持って来ていない。
部屋のクローゼットが狭いからってのもあるけど。
せめてマフラーでもあれば……マフラーもばあちゃんの家に置いたままだっけ。
「マフラー……」
宮園様へのクリスマスプレゼントに買ったマフラーは、見つからないようにベッドの下に隠している。
いつ渡そう。
というか、宮園様はクリスマスの予定はどうなってるんだろ？
不審に思われないように、今度さり気なく聞いてみよう。
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