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飛んで行ったゴミ袋を回収しなきゃと探しながら歩いていると、途中でゴミ袋を持ったまま立ち竦んでいる三世寺先輩を見つけた。
そっか、三世寺先輩も風紀委員だもんね。
「三世寺先輩、お疲れ様です」
俺が声を掛けると、三世寺先輩が振り返り驚いたように俺の顔を見つめる。
「……石渡……君?」
「三世寺先輩もゴミ拾いですか?」
「……いや、清掃活動は美化委員の担当だ」
じゃあ、何でゴミ袋を持ってるんだ?
俺の視線がゴミ袋に向いたのを気付いたのか、三世寺先輩が目の前にゴミ袋をガサガサと広げた。
「……これは飛んで来たのを捕えただけだ」
もしかしなくても、そのゴミ袋は俺の手から逃げて行ったヤツじゃないかな。
「すいません、それを飛ばしたの、俺です」
「……何故、君が清掃活動を? 美化委員に入ったのか?」
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