お誘い

14/21
前へ
/400ページ
次へ
薬師堂先輩に風紀委員に誘われているのを知ってるから、俺が他の委員会に入ったんじゃないかと心配なんだろうか。 「違いますよ。山本先輩に手伝いを頼まれたんです」 「……山本が?」 「美化委員に入る気はありませんよ。まぁ、風紀委員もですけど」 ゴミ袋を俺に手渡し、三世寺先輩が真剣な表情になる。 「……石渡君が風紀委員になったら、ずっと共に居られるのにな」 「俺には風紀委員なんて向いてませんから」 「……そうか」 三世寺先輩が残念そうに落ち込んでいるのは、余程俺に風紀委員に入ってほしいからなんだろう。 『無理に誘わない』とは言っていたけど、やっぱり人手は多い方がいいだろうしね。 「……この間は、すまなかった」 何故か三世寺先輩がいきなり謝ってきた。 「え? この間?」 「……この間の保健室で、俺は……」 三世寺先輩に謝られるような事ってあったっけ? 俺が謝らなくちゃいけない事はいっぱいあっただろうけど。 .
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12451人が本棚に入れています
本棚に追加