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薬師堂先輩に風紀委員に誘われているのを知ってるから、俺が他の委員会に入ったんじゃないかと心配なんだろうか。
「違いますよ。山本先輩に手伝いを頼まれたんです」
「……山本が?」
「美化委員に入る気はありませんよ。まぁ、風紀委員もですけど」
ゴミ袋を俺に手渡し、三世寺先輩が真剣な表情になる。
「……石渡君が風紀委員になったら、ずっと共に居られるのにな」
「俺には風紀委員なんて向いてませんから」
「……そうか」
三世寺先輩が残念そうに落ち込んでいるのは、余程俺に風紀委員に入ってほしいからなんだろう。
『無理に誘わない』とは言っていたけど、やっぱり人手は多い方がいいだろうしね。
「……この間は、すまなかった」
何故か三世寺先輩がいきなり謝ってきた。
「え? この間?」
「……この間の保健室で、俺は……」
三世寺先輩に謝られるような事ってあったっけ?
俺が謝らなくちゃいけない事はいっぱいあっただろうけど。
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