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あ、三世寺先輩の事?
何で三世寺先輩と俺が仲良く話してたのを知ってるんだ?
「見てたんですか?」
「風紀委員から逃げてる時にたまたまな」
宮園様、また何か悪さして追いかけられてたんですか。
「仲良くしてたって三世寺先輩の事ですよね? 友達になったんです」
「友達? そうは見えなかったけど」
「そりゃ、学年が違うから友達には見えないでしょうけどね」
テーブルに着いてお皿を並べながら、宮園様が「そういう意味じゃねぇよ」と不貞腐れたように呟く。
「どう見たってお前が狙われてるようにしか見えねぇ」
「狙うって、三世寺先輩はいい人ですから、俺を標的にして虐めたりしません」
「違ぇよ、バカ」
「バカじゃないです」
何かを諦めたように、宮園様が「ホントバカだな」と溜め息を吐いた。
俺の事を散々『バカ』って言うけど、テストの順位は俺の方が上だったからね。
俺はバカじゃない、うん。
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