お誘い

19/21
前へ
/400ページ
次へ
あ、三世寺先輩の事? 何で三世寺先輩と俺が仲良く話してたのを知ってるんだ? 「見てたんですか?」 「風紀委員から逃げてる時にたまたまな」 宮園様、また何か悪さして追いかけられてたんですか。 「仲良くしてたって三世寺先輩の事ですよね? 友達になったんです」 「友達? そうは見えなかったけど」 「そりゃ、学年が違うから友達には見えないでしょうけどね」 テーブルに着いてお皿を並べながら、宮園様が「そういう意味じゃねぇよ」と不貞腐れたように呟く。 「どう見たってお前が狙われてるようにしか見えねぇ」 「狙うって、三世寺先輩はいい人ですから、俺を標的にして虐めたりしません」 「違ぇよ、バカ」 「バカじゃないです」 何かを諦めたように、宮園様が「ホントバカだな」と溜め息を吐いた。 俺の事を散々『バカ』って言うけど、テストの順位は俺の方が上だったからね。 俺はバカじゃない、うん。 .
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12451人が本棚に入れています
本棚に追加