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「そうだ、コウくん。この間のロールケーキどうだった?」
「ロールケーキ?」
お姉さんがサンタ衣装のミニスカートをヒラヒラさせながらニッコリ微笑む。
「あれ、食べなかった? イチジクのロールケーキなんだけど」
「頂きました。スゴく美味しかったです」
「でしょ!?」
前に宮園様が買って来たロールケーキって、ここのケーキ屋のだったのか。
あ、だから宮園様『知り合いがケーキ屋でバイトしてる』って言ってたんだな。
「誠さんの考えた新作ケーキなの。あ、誠さんってここのパティシエなんだけどね?」
「そうだったんですか」
「本人はまだまだ修行中だって言ってるけど、あんなに美味しいケーキを作れるんだもん。もう一流のパティシエよね!」
ロールケーキを作ったパティシエの話を瞳を輝かせながら語るお姉さんが、何となくノロケ話をする翼と被って見える。
もしや、そのパティシエってお姉さんの恋人か?
「おい、くだらない話してないで働けよ」
見兼ねた宮園様が割り込んで来ると、お姉さんが「何よ~」と口唇を尖らせる。
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