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「あ、あの、藤代君は?」
「あぁ、部屋に戻ったんじゃねぇか?」
「そ、そうですか」
何となく気まずくて下を向いていると、宮園様の腕が俺の身体を囲う。
「断ったら泣かれた。で、落ち着くまで待ってたら時間かかってな」
「断ったって?」
「告白」
その言葉にビクッと身体が僅かに震えて。
俺が動揺したのが解ったのか、宮園様が震えを抑えるように俺をギュッと抱き締めた。
「さっき言ってたの、ホントか?」
宮園様の肩に顔を埋めると、耳元で囁かれる。
「ちゃんと聞きてぇ。もう一回、お前の口から」
「え? ぇえ?」
俺、何か言ったっけ?
「あの、さっきって?」
何の事かと宮園様の服を掴んで顔を上げると、宮園様に「言わねぇのかよ」と力無く突っ込まれた。
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