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「あ、俺、プレゼント用意してねぇ」
「そんな、いいんですよ。これだって俺が勝手に用意しただけですから」
「つーか、お前の欲しい物が炊飯器かオーブントースターしか思い付かなかった」
宮園様、俺の事解ってくれてますね。
ラッピングをガサガサと剥がす宮園様の前で、緊張から正座をしてじっと反応を窺う。
「マフラー? いい色だな」
「気に入ってもらえました?」
恐る恐る尋ねると、宮園様は「まぁまぁ」なんてつれない事を言っていたが。
マフラーを見つめる目が和らいでいて、何だか俺まで嬉しくなってしまった。
「お前、冬休みは家に帰るんだっけ?」
「はい、そのつもりです。と言っても年末年始だけですが」
「帰る前に俺に付き合え。プレゼント買ってやるから」
プレゼントなんて別にいいのに。
でも、誘ってもらえたのが嬉しくて。
「よ、よろしくお願いします!」
正座のまま頭を下げて、宮園様にその頭にチョップをされてしまった。
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