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「うん、俺、藤代君には負けないから。そりゃ、藤代君の方が小さくて可愛いし、容姿では負けてるかもしれないけど」
さっきまで暗く陰っていた藤代君の目が、驚いたように見開く。
「藤代君だって一度フラれたくらいで諦められるの? 宮園様を好きだって気持ちがその程度なら、俺が宮園様を貰っちゃうから」
宮園様が俺を好きになってくれるかどうかは解らないけど。
藤代君に言った言葉は俺自身にも言ったようなものだ。
想いを隠して簡単に諦められるようなら、こんなに胸が苦しくなんかならない。
「ボクも……負けない……」
「藤代君」
「絶対……アンタから宮園君を……奪い返す」
しっかりと俺を睨み付けた藤代君の目は、闘争心に燃えて輝いていた。
奪い返すって、宮園様は俺の物じゃないんだけど。
俺のライバル宣言を真っ向から受けて立った藤代君にアドレス交換のお願いをしたら、呆れたような視線を向けられて。
サンタブーツのお菓子全部と引き換えに何とかアドレスを交換してもらえた。
これで仲直りって訳でもないが、正々堂々ライバルにはなれたのかな?
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