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ばあちゃんの家には29日に帰る事にした。
隣の市までは電車で一時間半くらいだから、そんなに遠くないし。
帰る前に寮の部屋の大掃除もしたいし。
その前に宮園様との約束もあるからね。
「おい、そろそろ出ないと遅くなるぞ」
「あ、待ってください!」
クローゼットの扉の内側に付いている鏡とにらめっこをしていた俺を急かすように、宮園様が「早くしろよ」と声を掛ける。
だって宮園様と一緒にお出かけですよ?
変な格好で宮園様の隣に並べないじゃん!
もうちょっとお洒落な服とか買っておくんだったな……。
「すみません、お待たせしました」
今クローゼットにある服の中から一番まともそうなのを選んでいたら、かなり時間がかかってしまった。
「あの、俺変な格好じゃないですか? 寝癖とかついてないですよね?」
「かわい……いや、大丈夫じゃねぇか?」
何度も髪型を直していると、宮園様に頭を撫でられる。
アレ、やっぱり寝癖ついてた?
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