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部屋を出てすぐに向かったのは、寮長である山本先輩の部屋。
宮園様は「要らねぇだろ」と言っていたが、外出届はちゃんと出しておかないとね。
ノックをしてしばらくすると、「はいはーい」と相変わらずの明るい返事で山本先輩がドアを開ける。
「すみません、外出届を出したいんですが」
「解った、ちょっと待っててね」
一旦部屋の中に入ると山本先輩がプリント用紙を手にすぐ戻って来て、ボールペンを借りてその場で外出届を記入した。
部屋の外で待つ宮園様の分も。
「宮園君も? 珍しいねー」
「宮園様はいつも外出届を出してないみたいですからね」
「二人してお出かけかー。もしかしてデート?」
俺の記入したプリント用紙に承認の判子を押しながら、山本先輩がニヤニヤしている。
「そ、そんなんじゃ……」
ハッキリと否定出来ない。
宮園様にしてみたらただの買い物だろうけど、俺にとってはそうじゃないし。
一緒に出かけられるだけで嬉しいなんて、乙女思考が入ってるのかも。
「コウくん、照れてるでしょ。可愛いなー」
「からかわないでください」
「顔が赤いのは何でかねー」
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