告白

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目的地である家電量販店へは電車で移動。 「炊飯器は買う為にお金貯めてたしな~。オーブントースターも捨てがたいけど、電気ケトルもいいな。お茶を淹れるのに鍋で湯を沸かしてたし」 車内で浮かれていた俺を、いつもなら呆れる宮園様が優しい眼差しで見つめている。 宮園様、今日は機嫌がいいのかな? 「俺は家電には詳しくねぇし。お前が好きなの選べ」 「予算は?」 「五千円以内」 安い炊飯器なら五千円くらいで買えるな。 でも美味しいご飯を炊くには、もうちょっと性能がいい炊飯器が欲しいし。 というか、宮園様にあげたマフラーはそこまで高い物じゃないんだけど。 チラリと宮園様の首元に視線を向けると、そこにはクリスマスプレゼントに俺があげた赤いマフラー。 「何だよ」 「いえ、何でもないです」 ちゃんと使ってもらえているのが嬉しくて、つい顔が綻んでしまう。 うん、俺、宮園様好きだな。 .
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