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「学校のお友達なんでしょう?」
「えっと、はい」
口元から宮園様の手を剥がしていると、三世寺先輩のお母さんが俺を見て「うふふ」と穏やかに笑っている。
「藤真さんがプロポーズなんて。早速お父さんに報告しなくちゃ」
嬉しそうにしてますけど、報告はしなくていいですから!
何か背後から宮園様の視線が突き刺さってるし!
それから宮園様の痛いくらいの視線に耐えながら、お勧めされた抹茶のどら焼きとみたらし団子を買うと。
「これはおまけね。これからも藤真さんと仲良くしてあげてちょうだい」
三世寺先輩のお母さんが袋の中にこっそりお饅頭を二つ入れてくれた。
お饅頭も好きだから嬉しいんだけど……この不機嫌な宮園様をどうしよう。
せっかくの宮園様とのデートだったのに。
いや、だからって三世寺先輩が悪い訳じゃない。
悪いのは……多分俺なんだろうな。
宮園様が不機嫌な理由も。
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