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店を出てからも帰りの電車の中でも、宮園様は一言も口をきいてくれなくて。
さっきまで宮園様にプレゼントを貰ってはしゃいでいた気分が下がってしまう。
とりあえず、宮園様に謝らないとな。
怒ってるみたいだし。
暗い気持ちのまま寮の部屋に戻ってドアを閉めた途端、先に部屋に入った宮園様が荷物を床に置きクルリと振り返った。
「何でハッキリ断らなかったんだ」
「え、何が?」
「さっきのプロポーズだよ。お前、俺の物だって自覚足りねぇんじゃねぇか?」
宮園様に詰め寄られて後退ると、背中がドアにぶつかる。
「あの、俺、宮園様の物なんですか?」
「そう言ったろ」
「え、いつから宮園様の物に?」
俺の顔の横でドアに手を付き、宮園様が盛大に溜め息を吐いた。
「呆れてます?」
「違ぇよ。自分の間抜けさ加減に嫌気が差してんだ。アホなお前にあれだけで解れってのが無理だったんだよな」
何か、失礼だな。
俺は宮園様が言う程アホじゃないと思うけど?
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