日常

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そういえば、藤代君に俺が宮園様と付き合う事になったのは話してない。 自分から藤代君に『諦めるな』なんて言ったクセに。 「藤代君……」 この人集りじゃ藤代君に近付く事すら出来ない。 アドレスは教えてもらってるし、後で電話かメールでもしようかと考えていると。 「宮園君……!」 宮園様の姿に気付いた藤代君が、嬉しそうに宮園様に近寄ってきた。 「宮園君に……お願いがあるんだけど……」 「……」 「あの……ボク、やっぱり宮園君が好きだから……」 宮園様も藤代君をフッて泣かせた手前気まずいのか、黙って藤代君の言葉に耳を傾けている。 「宮園君の気持ちは……解ってる。けど……これからも好きでいて……いい?」 黒目がちな瞳を潤ませながら上目遣いをする藤代君は、俺でさえもキュンとしてしまうくらい可愛い。 周りの人達も藤代君の可愛らしさにうっとりしている。 宮園様は動じてないけど。 「あぁ、まぁ……勝手にすりゃいいんじゃねぇの?」 また泣かれたら困るとでも思ったのか、宮園様はキッパリ拒否する事はしなくて。 その反応に藤代様が「ありがとう……」とどこか儚げな雰囲気を醸し出しながら微笑んだ。 くっ……! 藤代君可愛いな! ライバルじゃなかったら抱き締めて頭を撫で撫でしてやりたい所だ! .
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