日常

8/13
前へ
/400ページ
次へ
始業式の日も午前中で学校が終わりなので、寮の部屋に戻ってお昼ご飯を作ろうかと考えていると。 『一年二組の宮園君と一年三組のコウくん。学校にまだ残ってたら生徒指導室に来てね。待ってるからー』 HRが終わった途端、山本先輩の声の校内放送で呼び出された。 いつも指導室に呼び出しと言えば薬師堂先輩なのに。 しかも宮園様と一緒に? 放送で呼び出されたんだから宮園様も指導室に向かっているだろうし、何の用か解らないがとりあえず行ってみよう。 すぐに指導室に向かいドアをノックして「失礼します」と開ける。 「……光太郎」 すると嬉しそうに微笑んだ三世寺先輩に出迎えられ、いきなり抱き締められた。 「え、三世寺先輩?」 「……会いたかった」 「いや、あの、離してもらえませんかね?」 三世寺先輩の背後で山本先輩と薬師堂先輩がニヤニヤしながらこちらを見ていて、居心地の悪さに身体を捩る。 「……離したくない」 「ぇえ!?」 まさか三世寺先輩が俺に抱きつきたくて呼び出したんじゃないよね? 山本先輩なんか「さんちゃんってば、大胆」なんて笑ってるし。 .
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12453人が本棚に入れています
本棚に追加