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「触るなって言っただろうが」
俺の後ろから低い声がしたかと思うと、三世寺先輩の腕を無理矢理解いて宮園様が俺を背中から抱き締めてきた。
その間にも三世寺先輩に威嚇しながら。
あ、そういえば宮園様も呼び出されてたんだもんね。
「……光太郎を束縛するつもりか」
「そんなんじゃねぇ。が、お前は別だ。コウに近寄るな」
「……それは無理だ。光太郎が目の前に居たら、抱き締めたくなる」
和菓子屋での悪夢、再び。
宮園様と三世寺先輩が俺を挟んだまま睨み合っている。
これは俺には止められないし、第三者に救いを求めていたのに。
「三世寺、宮園君に負けるつもりじゃないだろうな?」
「ダメだって。コウくんと宮園君はラブラブ夫婦なんだから。宮園君、そこで押し倒しちゃいなよ!」
薬師堂先輩と山本先輩は、何故か楽しそうに二人を煽っていた。
俺、もう帰りたい。
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