日常

13/13
前へ
/400ページ
次へ
食べ切れなかったお土産のお菓子は持ち帰って、寮の部屋に戻ってからお昼ご飯作り。 今日はチャーハンです。 宮園様は「またかよ」なんて言ってるけどさ。 ご飯をレンジで温めて、具材とフライパンの準備。 その間に宮園様がテーブルとお皿まで出してくれている。 「宮園様って案外奥さんの尻に敷かれるタイプかもしれませんね」 「あ? 何だよ、いきなり」 「亭主関白と思いきや、実は奥さんの手の上で転がされる、みたいな」 『かかあ天下のほうが夫婦仲は上手くいく』って、よくウチのばあちゃんが言ってたな。 俺の両親はどうだったのか知らないけど。 「確かにそうかもしれねぇな」 「え、やっぱり?」 キッチンに立つ俺の隣に宮園様も来て。 「相手がお前なら、の話だけど」 すぐ耳元でそう囁いて俺の頬にキスをしたから、持っていた木ベラを落としてしまった。 亭主関白だろうがかかあ天下だろうが、宮園様とだったらどっちでもいいかも。 幸せなのには変わりないし。 こんな風にこれからも宮園様とずっと一緒に居られたらいいな。 【終】
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12454人が本棚に入れています
本棚に追加