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食べ切れなかったお土産のお菓子は持ち帰って、寮の部屋に戻ってからお昼ご飯作り。
今日はチャーハンです。
宮園様は「またかよ」なんて言ってるけどさ。
ご飯をレンジで温めて、具材とフライパンの準備。
その間に宮園様がテーブルとお皿まで出してくれている。
「宮園様って案外奥さんの尻に敷かれるタイプかもしれませんね」
「あ? 何だよ、いきなり」
「亭主関白と思いきや、実は奥さんの手の上で転がされる、みたいな」
『かかあ天下のほうが夫婦仲は上手くいく』って、よくウチのばあちゃんが言ってたな。
俺の両親はどうだったのか知らないけど。
「確かにそうかもしれねぇな」
「え、やっぱり?」
キッチンに立つ俺の隣に宮園様も来て。
「相手がお前なら、の話だけど」
すぐ耳元でそう囁いて俺の頬にキスをしたから、持っていた木ベラを落としてしまった。
亭主関白だろうがかかあ天下だろうが、宮園様とだったらどっちでもいいかも。
幸せなのには変わりないし。
こんな風にこれからも宮園様とずっと一緒に居られたらいいな。
【終】
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