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「ユイ……ちゃん」
「『ちゃん』は要らねぇ」
「ん……唯……」
照れながらも名前を呼ぶと、宮園様は「それでいい」と満足気に俺の口唇にキスを落とした。
俺の事を『朝から無駄に元気』だとか言ってたけど、宮園様だって朝から無駄に色っぽいじゃん。
いや、無駄でもないのか?
いつもより早く起きてしまったので、少し早い時間に登校する事にした。
雪でテンションが上がって早く外に出たかったってのもあるんだけど。
「まだ降ってますね」
薄曇りの空からは、チラチラと雪が舞っている。
積もったと言っても15㎝くらいだから、天気が良かったら昼には溶けてしまうんじゃないかと心配だった。
でもこれならまだ雪を楽しめそうだ。
「寒い」
「宮園様ってば寒がりなんだから」
「うるせぇ」
宮園様は黒いダウンジャケットに、俺がクリスマスにプレゼントした赤いマフラーで完全防備している。
俺は紺のダッフルコートだけ。
宮園様の方が温かそうな格好してるのにな。
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