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「そんなに寒いんなら、早く校舎に……」
『入りましょうか』と言い終わる前に宮園様の頭に雪玉がぶつかって。
わぁ、宮園様の赤い髪と白い雪のコントラストがキレイだな。
なんて呑気に考えている内に宮園様が無言で足元の雪を拾い、雪玉の飛んで来た方向へ思いきり振りかぶって雪玉を投げつけた。
「ぎゃー! 痛っ!」
悲鳴と共に雪まみれで現れたのは、山本先輩。
山本先輩もこの雪でテンションが上がっちゃったんだね。
「もしかして今投げたの宮園君? キミ、いい腕してるね。ウチのチームに入らないかい? 年俸は弾むよ」
「お前の流れ弾に当たったんだ。まずは謝れ」
「すいませんでした」
ビシッと90度の角度で山本先輩が頭を下げる。
「ガキみたいにはしゃいでんじゃねぇよ」
「はい、すいません」
山本先輩の方が歳上なんだよね?
あんまり歳上っぽくないよな、山本先輩って。
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