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「コウ、こっち向け」
「はい?」
向け、と言われたから素直に宮園様の方を向くと、宮園様が両手で俺の頬を包むように挟み込んで。
「うひゃっ!」
氷のように冷えた指先に、思わず悲鳴を上げてしまった。
「何するんですか! 冷たい~!」
「お前の顔、温かいな」
「離して~!」
宮園様の手首を掴んで引き離そうとするが、宮園様は笑いながら俺の頬をつねっている。
これはアレか。
手袋が欲しいってアピールなのか?
「あはは、二人共ラブラブだねー」
山本先輩が俺と宮園様のやり取りを見てニヤニヤしていて。
「じゃ、オレはやっくんに……」
「しなくていい」
伸ばした手を薬師堂先輩に叩き落とされていた。
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