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無理矢理掴まされた諭吉さんを宮園様に突き返すと、宮園様は呆れたように盛大な溜め息を吐いた。
「それはお前にやったもんだから取っとけ」
「じゃあ、条件を撤回してください」
「それは出来ねぇ」
宮園様も頑固だな~。
学校で話し掛けるくらい、大した事じゃないだろうに。
それにクラスが違うんだから、声を掛けるにしてもたまに会った時だけだろうし。
それの何がいけないのさ。
「この手だけは使いたくなかったんですが、宮園様が撤回しないなら仕方ないです」
「何がだよ」
「今日の晩ご飯はピーマン料理のフルコースにします。ピーマンの肉詰めに青椒肉絲にピーマンとツナのサラダ、ピーマンのお浸しなんかもいいですね」
ニヤリと笑ってみせると、宮園様の顔が引き攣っている。
「ピーマン料理のレパートリーは結構あるんですよ」
「俺はお前の為に言ってんのに」
「そんなの、関係無いです」
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