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今まで翼の部屋は俺の部屋でもあったから、許可をとるのが不思議な感じがする。
「光太ならいつでも大歓迎だよ」
「宮園様がコンビニスイーツをいっぱい買って来たから、一緒に食べよう。シュークリームとかは賞味期限早いからさ」
翼が驚いたように目を丸くして「あの人が?」と小さな声で呟いた。
「大丈夫、宮園様も『俺のプリン食っただろ』って怒らないって言ってたし」
「そ、そうなんだ」
「食費も多めに貰ったから、怒られたらまたプリン買えばいいだけだもん。二人で食べちゃおう」
「食費、ちゃんと貰えたんだ」
コンビニスイーツが嬉しくないのか、翼が複雑な表情をしている。
「光太、やっぱりあの人と仲良いんじゃないの?」
「無い無い、それは無いって」
大袈裟に顔の前で手を振ってみせると、やっぱり翼は納得してないみたいだったが。
「僕も、あんまり怖がらないようにするって言ったもんね。光太みたいに頑張るよ」
カバンを手にしたまま小さくガッツポーズをしていた。
さっきの様子を見る限りでは、道のりは遠そうだけど。
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