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二時間目の授業終わりの休み時間。
トイレで用を済まし教室に戻ろうと廊下を歩いていると。
「石渡……光…太郎……」
か細い声が俺の名前を呼んだ……気がした。
「ん?」
その場で立ち止まりキョロキョロと辺りを見回すが、それらしい人物は見当たらない。
「気のせい?」
再び歩き出そうとする俺の後ろで、またもやか細い声で名前を呼ばれる。
何コレ、心霊現象?
学校の七不思議的な?
ゆっくりと後ろに視線をやると、翼と同じくらいの身長でもっさりとした黒髪、分厚いレンズのメガネを掛けた男の子が立っていた。
「石渡……光太郎……?」
「そうだけど」
その子はずっと俯いたままで、俺と目を合わせようとしない。
同じクラスじゃないよな?
ってか、誰?
何で俺の名前知ってんの?
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